今回は、話題の対話型AI「ChatGPT」を使って、アフターエフェクトのエクスプレッションの生成に挑戦してみました。
学校の宿題からプログラミングまで、何でもこなすAIとして噂のChatGPT。ならばアフターのエクスプレッションも楽勝に違いないと試したところ、かなり興味深い結果となりました。今回は最新AIサービスの恐るべきポテンシャルをご紹介したいと思います。
Aeのエクスプレッションとは
AfterEffectsではアニメーションを作る際、通常、キーフレームを使って時間的な変化を制御します。それに対してエクスプレッションとは、レイヤーに直接コードを書き込むことでアニメーション等を制御する方法です。シンプルなものであれば コードを書けない人でも簡単に利用可能な便利機能ですが、より複雑なアニメーションを作りたい場合には、JavaScript の知識が必要となります。このため普段からAfter Effectsを使っている人でも、エクスプレッションは上手く活用できていない、という方が多いのではないでしょうか。かくいう私自身もエクスプレッションは大の苦手です。
ChatGPTでエクスプレッションを書く その1
今回は、すでに ChatGPT のアカウントを持っているという前提でお話しを進めます。
先ずは、こんな文章でChatGPT に話しかけてみました。
あなたは After Effects で映像制作を行うクリエイターです。テキストレイヤーに適用してアニメーションさせるためのエクスプレッションを考えてください。
こうやってキャラクター設定を与えることで会話の方向性がより明確で具体的になったりします。逆に「私は映像制作の初心者なので丁寧に解説してください」のように自分側の設定を明確にするのも効果的だと思います。
次に、以下のような具体的なアニメーションのイメージを伝えてみます。
0秒から2秒まで不透明度の点滅を繰り返すためのエクスプレッションを考えてください。
わずか1分程度で素早く返答してくれます。それにしても、しっかり日本語のコメント入りとは恐れ入りました。これならエクスプレッションに詳しくない人でも一目瞭然です。もう少し無機質な感じで返答されるのではと予想していましたが、解説文まで付けてくれて好感度高いです。細かいことを言えば、この解説ではエクスプレッションをAfterEffectのどこにコピペすればいいのかわかりません。ただし Chat GPTであれば、わからない部分について続けて質問することもできます。
ということで実際にアフターエフェクト側に貼り付けて動作確認したムービーがこちら。ちゃんと点滅して2秒のところで停止してます。不透明度のプロパティにコードを張り付けただけで、それ以外は手を加えていません。
ChatGPTでエクスプレッションを書く その2
続いて、先程とは違うアニメーションをリクエストしてみました。
テキストが激しく振動しながら登場し、約1秒後に元の位置で停止するためのエクスプレッションを考えてください。
今度は、エクスプレッションは「位置」のプロパティに適用して使いなさい、というところまで親切に指示してくれました。これならエクスプレッション初心者でも安心です。After Effects 側での動作確認も問題なし。
変数の設定を多少調整し、スケールで飛び込ませた結果が以下の映像です。こんな感じで気の利いたエクスプレッションをバンバン書き出してくれます。
まとめ
今回はChatGPTでアフターエフェクトのエクスプレッションを作成してみました。記事でご紹介した2つの例の他にもいくつかのエクスプレッションを作成しましたが、Ae 側でエラー表示が出てしまうモノもありました。ただし少々の手直しで問題なく動作できたものも多く、エクスプレッション生成ツールとしてはひとまず実用可能なレベルと言えそうです。
ちなみに、この ChatGPT の他にも、あの Google でも Bard と呼ばれる新AIサービスを準備中とのことで、今後もAI関連の話題から目が離せない状況が続きそうです。
今回は以上です。最後までお読みいただき有難うございました。
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